子育て世帯の賃貸物件の選び方
子育ての今と将来を考える
子供がいると、毎日の生活は基本的に「子供中心」で進みます。共働きの場合は「仕事」「子育て」「家事」をすべてバランス良くこなさなければならず、それを実現するためには、住まいの選び方がとても重要になります。
【通勤と保育園への送迎を考える】
子育てには、夫婦の協力が必要です。特に共働きの場合には、お互いに時間をやりくりしながら家事の分担をしなければなりませんから、「通勤のしやすさ」は重要な条件です。「通勤のしやすさ」と言えば、駅に近い、バス停に近いことを条件に挙げるものですが、単に駅に近いだけでは子供の保育園・幼稚園の送り迎えに手間取り、むしろ不便を感じることもあります。「家⇔保育園⇔通勤」とスムーズに動けるように、トータルの道のりが短く早くなることが理想的と言えるでしょう。
【通学距離と安全性を考える】
子供がまだ小さいとなかなか実感が湧きにくいかもしれませんが、将来を見据えて小学校や中学校の近さもチェックしましょう。公立の場合、基本的に登下校は徒歩です。子供の通学時間が長くならないように距離に配慮し、通学路の安全性にも着目することが大事。道路幅や歩道・ガードレールの有無、交通量のほか、信号のない横断歩道がないかなどもチェックしておきたいところです。
【将来的な子供の数を考える】
部屋数と広さは重要です。将来的な子供の数によって必要な部屋数・広さは変わってきます。子供が二人以上でも、小さいうちは一部屋でいいでしょう。でも中学生以上になるとそれぞれの個室が必要になることが多いですから、それを踏まえた間取り選びが必要です。
基本は3LDK以上を選ぶことになるでしょう。3LDK 以上の間取り中心のマンション・アパートの場合、エリアにもよりますが、同じような子育て世帯が入居している可能性が高くなります。子供の友達づくりが容易で、親同士の情報交換を含めた付き合いも自然にできそうです。
子育ての日常を考える
実際に暮らす室内は、日常の安全性と、家事のしやすさといった実用性を重視しましょう。
【洗濯は結構大変】
子供がいると洗濯量が増えるので、干す場所として広いベランダがあるといいですね。また、雨の日でも洗濯物を溜めておくわけにはいかないので、浴室乾燥機があるととても助かります。
【集合住宅は1階も検討を】
子供は元気に動き回るもの。家の中でも「走る」「飛び跳ねる」「大声を出す」のは当たり前です。できるだけのびのびした暮らしをさせたいものですね。
でも、マンションやアパートの2階以上に住んでいると、下の階への影響が心配です。下階への迷惑を気にするあまり、怒ってばかりいるのは親子ともどもつらいことです。何より、遊び盛りの子供に「動くな」というのは酷な話。その点1階の住戸は、階下への影響がない分気づかいが少なくて済みます。周囲に迷惑をかけない程度に自由に過ごさせてあげるには、1階への入居も検討してみてはいかがでしょう。
【和室という選択も】
最近では畳部屋をあえて選ばない人が増え、掃除がしやすくおしゃれなイメージがあるフローリングが好まれる傾向があります。実際に、和室を設けないマンションもあります。
しかし、子育て世帯にはむしろ和室が向いているという見方もあります。例えば、遊んでいるときに子供が転んでも、柔らかい天然素材の畳が衝撃を吸収してくれ、ケガの防止に役立ちます。子供は床にじかに座ったり寝転んだりするのが大好きですから、自然な温かさのある畳の部屋は遊び部屋としてとても適しています。
【収納力にも注目】
子供を育てていると、いつの間にか物が増えていきます。すぐに成長する子供の衣類や遊ばなくなったおもちゃを「次の子供のため」とか、「誰かにあげられるから」と保管しておくことも多いでしょう。いらない物は捨てる、整理整頓は基本だとしても、収納が多い方がラクで便利なのは確かです。
周辺環境を考える
子育てにとても大切な要件の一つが周辺環境です。中でも、子供が小さい時期に必要なのが公園です。近所に公園があると、気軽に遊びに連れていくことができ、親子の絆も深まります。ただ、「公園」と言ってもさまざまですから、広さや遊具の種類、安全性も含めてチェックしておきたいところ。遊具が古く劣化しているとケガをするリスクがあります。水辺があるところは、その深さや柵の有無も確認しましょう。人目のつかない暗がりなどもない方がいいですね。
物件探しでは、周辺エリアを実際に歩いてみることをおすすめします。道路を歩いてみて、交通量や側溝の状況、子供が入ってしまうような危険な箇所がないかを確認しましょう。できれば、成長した後のことも考えたいところです。中学生、高校生となると、部活や塾などで帰りが遅くなります。特に女の子の場合は夜道の一人歩きは心配ですから、夜でも道のりにお店があって人通りはあるか、街灯はあるかなど、夜間の状態を確認しましょう。また、小さな子供は、急に熱を出したり体調が悪くなったりしますので、近隣に医療施設があると安心です。
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